東京湾の水土


 東京湾は、日本列島形成のなかで生まれ変化してきた。


 数十万年前、現在の東京湾及び関東平野は、古東京湾とよばれる太平洋に大きく開いた湾であった。約2万年前の氷期には湾のかなりの部分が陸化し、この頃から人々の生活の遺構や冷温帯及び寒温帯の落葉樹林の分布も見出されている。その後の海進によって、約6千年前の縄文時代には現在の沖積平野は海に覆われるが、再び海退により約2千年前の弥生時代には、ほぼ現在の海岸線ができあがる。

 有史以降の東京湾及びその周辺は、人間活動によって様々に変貌する。湾岸に人口集中が進む江戸時代には埋立もはじまり、明治、大正、昭和、平成と商工業を中心とした経済発展により、その変貌ぶりは著しさを増していく。現在、東京湾岸には世界一の人口をかかえる大都市が形成され、東京湾とのかかわりのなかで、人々の豊かな生活が展開されている。しかし、一方においては、自然破壊や環境汚染等、自然保護に反する多くの問題をかかえている。

 「東京湾学会」はこのような東京湾及びその周辺域における人・自然文化(MNC)について既存の専門分野を越えた新たな総合的学問領域をめざしつつ、学び、探求し、そして将来を展望する大きな核としての役割をになうものである。

( 東京湾学会初代会長 沼田 眞 )




東京湾だより

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